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法事にて [独り言]

父が亡くなって20年近くも経つと、法事などはすべてこちらにお鉢が回ってくる。私がどうしても抜けられない用事・・・たとえば米作りの仕事など・・・があれば母が出ていくが、大概は私が礼服に身を包んでえっちらおっちらと出ていく。
この日も例によって例のごとく、亡き○○さんの13回忌に出掛けて行った。

自分で言うのも妙であるが、私は法事に行くと結構人気者である。
親戚のおじさん、おばさんが次々とビール片手に話しかけてくる。私のビール好きは親戚間にもかなり浸透しているようだ。もっとも最近は近所の親戚同士で集まってクルマで行くことが多く、運転手の役に当たると好きなように飲めないのが非常に辛いところではある。

 

この日も話し好きのおばちゃんが私に話しかけてきた。世間話をいくつかした後、
「ヒロちゃん、知ってるか? トクちゃんの話!」

このおばちゃんにかかれば齢五十を過ぎた私も「ちゃん」扱いである。
ここで、「その呼び方はやめてくれ、恥ずかしい(ーー)」とでも言おうものなら
「何言うてんのん! あんたが赤ちゃんの時は私もおしめ替えたってんで!」
と倍返しをされるのがオチなので、勝ち目のない反論はせずにハイハイと聞くことにしている。

さて「トクちゃんの話」である。トクちゃんとは私の又従兄弟(「はとこ」とも言う)。彼とは同年代で、私がかつての幼き頃、何かの用事で親戚が全員集合したときに会い、一緒に遊んだことがあるという程度の仲で、そうそう親しいわけではない。成人してからは尚更で、今街で会ってもお互いそうとは気が付かないであろう。私とは同年代だったはず。とゆーことはもう立派な中年のオヤジ。
その程度の仲だけに、

「知ってるか?」
と問われても知ってるわけがない。知る便(よすが)もない。
「そんなもん知ってるわけないがな。トクちゃんて○○さんのトコの子やったっけ? どないしたん、トクちゃん?」
(おばちゃん、語尾が低くなる噂話特有の話し方で)
「それがな、今鬱になってずっと家に引き籠ってるねんて」
鬱」とは聞き捨てならない。それは私も罹りかけたこと、というか実際にその深淵を覗いたことがある。あれは辛い・・・・・本当につらい。
「なんでやねん? あいつええトコに勤めてたんとちゃうんかいな?」
数えるほどしか会ったことのないトクちゃんだが、彼は地方公務員になったと聞いており、、安定という意味ではこれ以上ないくらい安定した生活を送っているはずである。家も持ち家だったはず。私とは大違い。

情報通のおばちゃんが言うには、トクちゃんは奥さんに逃げられたとのこと。その経緯がまた、私には聞き捨てならないものだった。
「なんでもな、インターネットで知り合った男と一緒に奥さんが逃げたらしいで。それで落ち込んでもうて、仕事に行けんようになってしもてんて!」

・・・・なんだと、コノヤロー[むかっ(怒り)] しかもネットだと[exclamation&question]

そのとき私は、大事なものを穢されたような気がしましたよ、ホント。
おばちゃんはネットに詳しいわけではなく、私にしてもラインやツイッターとかほとんどわからない世界ではあるが、それを利用して人の幸せを蹂躙したヤツがいる、というのは許せない気がした。縁遠いとはいえ私の身内である。それを、具体的にどういう手管を使ったかはわからないが、ネットで知り合ってその女性を籠絡するなんて、何なんだ、一体。
離婚したのかどうかはわからんが、これは私が忌み嫌い、人としての最低最悪の行為のひとつである「略奪」ということになるのか? それもネットが原因で。
ある意味、その男も大したもんだ。ネットで知り合った女を家出させるんだからな。トクちゃんにも何か至らない点があったのかもしれない。
ホルホルと付いていく女も女だが、この男。こいつだけは許せない。
ボコボコにシバキたい気分だ。

なぜこういうことができる? 残される人間のことを少しでも思いやったことがあるのか?
(あるワケないな)

最低だよ、こいつ[パンチ] 鬼畜だな。犬畜生以下。犬に悪いわ。

法事も13回忌となると、ある意味宴会の延長みたいなところがある。まして長寿を全うした方なら尚更ね。しかし、こういう話を聞くとそういう気分ではなくなる。
顔色が変わったであろう私を見ておばちゃんは
「ヒロちゃん、どないしたん、えらい怖い顔して」
などとのたまうが、嫌いなものは嫌いだ[ちっ(怒った顔)] 電車の中で携帯で話す奴、ゲレンデの真ん中で座り込む奴には殺意すら覚えるが、それと同じくらい嫌いだ。
「おばちゃん、その男も一緒に逃げた嫁ハンも許せんな。そいつら二人ともブチ殺したい気分やわ、ホンマ[爆弾] ・・・・トクちゃん、かわいそうに」

それにしても、人はどうしてこういうことが出来るのだろう?
自分の行為が如何に人を傷付け、返す刀で自分自身をも貶めていることに、周りから侮蔑の目で見られていることに、なぜ気が付かないのだろう? 
「好きになってしまったら仕方がない」? 「出会うのが遅かっただけ」?
どちらも自分勝手な言い分でしかないであろう。自分さえよければあとはどうなろうと知ったことではない、ってか? 
最低だね、ホント。私が最も軽蔑し、見下げ果てるのはこういう奴らだ、間違いなく。

 

どこの世界にも恥知らずの人でなしはいる。そういう輩とは一生関わり合いたくないものである。


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コメント 4

遠霞(とおがすみ)

そうですね、許せませんね。
こういう感情を抑えるのは大変ですが、酔った勢いはやめましょう。そのほうが冷静になれるというものです。もちろんわかっておられることでしょうから…いまさらですが…
by 遠霞(とおがすみ) (2013-12-28 17:24) 

ヒロ

遠霞さん
この日はとても酔えるような気分にはなりませんでした。というか、法事で酔っぱらって醜態をさらすわけにはいかないので、自重しています。
今回の話、書くか書くまいか悩みましたが、怒りに多少冷静さを失いました。反省・・・・です(ーー)
by ヒロ (2013-12-30 08:48) 

船山史家

こんにちは。
いますよウチの一族にも。法事で酔っ払ってクダまくヤツが。
私ではないですよ。
よいおトシをお迎えくださいませ。
(Z女史とギクシャクしたままトシ越しのジャンです。)
by 船山史家 (2013-12-31 08:35) 

ヒロ

史家さん
今、そちらから自分ちに帰ってきたところで(笑)
私しゃ、クダなんぞ巻きません(^^) この日はハラワタが煮えくり返るような思いをしましたけどね。
今年もありがとうございました。
また来年もよろしく、です。
by ヒロ (2013-12-31 09:54) 

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