(その8) 曼陀羅の滝@龍神温泉 [紀州 龍神温泉]
本日、台風16号接近により大阪府および奈良県全域に大雨・洪水・暴風警報が出ており、私は自宅待機中です。でも、これで有給休暇を1日消化させられるのは、何かもったいない気がしますね~
さて、龍神温泉のお話も今回を含めあと2回です。
2日目、龍神温泉元湯に行く前、実は妻と私は曼陀羅(まんだら)の滝を目指していました。曼陀羅の滝とは、大正から昭和にかけて書かれた中里介山の小説「大菩薩峠」に出てきた滝で、主人公の机竜之介が失明しかけた目を洗ったと記されている滝のことです。平成の現代、「大菩薩峠」という本のことを言っても一体誰が知っているのか?
私はかつてこの本、全20巻を読了しました。でも、後半の方はかなりしんどかったです。歴史伝奇小説がなんだか宗教書のようになってきて、すべてが未完に終わった「幻魔大戦」のようにあらぬ方向に話が行ってしまって、もはや最後は惰性で読み終わった感じ。
さて、その曼陀羅の滝。第1回目の挑戦は前述通りの2日目、熊野古道から帰ってきてからその足で向かいました。まずはこの階段からスタート。
苔生した階段は雰囲気が素晴らしく、思わず声を上げたほど。
階段はすぐに終わり、温泉寺に到着・・・・
したものの、そこから先の階段には何とバリケードが。強引に突破して登ってみましたが、上には温泉の汲み上げ施設(?)があるだけで、そこから先にルートはありませんでした。
行きたくてもルートがなければ行かれない。諦めて宿に戻りました。あとで宿のご主人(何と苗字は龍神さん。カッコエエな~)に「ルートがなく行けませんでした」と報告すると、別のルートがあるとのこと。その日は諦めて翌日、つまり最終日のチェックアウト後に行くことにしました。
再挑戦はバス停から上る、先日とは別ルート。ところがこのルートを歩くことで、前日道がなかったと思った温泉寺からもちゃんとルートがあったことが判明。バリケードがあった道とは反対の側に道があったのですな、それを見つけられなかった私のミスでした
※ここが龍神温泉のバス停です。JRの駅では、紀伊田辺駅から1時間20分、1,700円でした。
民家(兼食堂)の脇を通っていくと、貸し出し用の杖が。木を削っただけのシンプルな杖でしたが、私たちは使わず。
急な石畳の道を登って行きます。昨日の熊野古道と比べて急峻な道です。妻ははや息が切れていました。
やがて石畳が山道に変わり、沢の音が聴こえ始めると滝はすぐ。
そして曼陀羅の滝に到着です。ここで解説をどうぞ
この滝、決して落差はありませんが雰囲気がいいですね。こういう水は間違いなく美味い
立ち入り禁止のため飲めなかったのが、かえすがえすも残念です。
それにしても、こんな山の奥の滝、よく見つけたもんだな、とそちらの方で感心しました。
大菩薩峠は読んだことがないので、イマイチわからんのですが、幻魔大戦はずっと読み続けたので、説法っぽくなるという感覚はよーーくわかります。なんで最後(といっても終わりはあったのか謎だし)はああなっちゃうのか、、、なんて、昔を思い出しました。
この滝で主人公が復活したんですか。失明を逃れる神秘の水という感じなのですね。このあたりはなんだか復活譚が多いんですねぇ。
思い出すのは、つぼ湯のある湯の峰温泉。奈良県の熊野本宮がある近くだったと思いますが、スーパー歌舞伎にもなった小栗判官が照手姫に導かれて復活する温泉が近くにあったと思います。そういうのと似ているんですかね、大菩薩峠も?
by 遠霞(とおがすみ) (2016-09-21 22:37)
遠霞さん
つぼ湯のある湯の峰温泉は、先日の熊野古道・中辺路からすぐだったのですが、結局行けずじまいでした。いつかは、とは思いますが、何せ人気の観光地ですから行っても入れないケースが続出なのだそうです。
ところで遠霞さん、大阪出張のついでに龍神温泉はいかがですか? なかなかいいお湯ですよ~♪
by ヒロ (2016-09-22 20:12)