別所温泉 桂荘~ちょっとだけ散歩気分編~ [別所温泉 桂荘]
まるで遠霞さんのブログのタイトルのようになってしまいましたが(笑)
朝食後、雨が上がっていたのでちょっとだけ散歩に行きました。土曜日、雨上がりの朝です。
まずは宿のすぐ近くの北向観音に。朝の4時半に鐘を衝く音が聞こえて、それで目が覚めたんですよね。
(あとでおかみさんに聞いたら、あれは録音したものを流しているそうです)
朝の9時過ぎです。境内には誰もいず、静かなものでした。
そしてこの位置から左側に手水場(この言葉でよかったかな?)が。ダンカミさんの掲示板でsizuさんという方がちょっと前にここを訪れておられ、供されているお水が温泉だということを書かれていました。
・・・・温泉でした (いえ、疑っていたわけではありませんよ)
紫陽花がきれいでしてね。珍しく妻が「写真撮っといてね」と。
あ、今回の画像は、あんかけ亭を含む3回の昼食を除いて、基本的にすべてコンイチ(Panasonic Lumix GF3X)で撮影しています
紫陽花、会津の蕎宿近くでも綺麗でした。梅雨は決して好きではありませんが、この花は好きです。
人気のない商店街を振り返り、
ちょっと歩くと足湯がありました。
昨日なら入っていたと思いますが、そろそろ時間が。
この日は別所温泉から上信越自動車道・上田菅平IC~関越自動車道~北関東自動車道を経て東北自動車道を西那須野塩原ICで降り、R400~R121で会津・湯野上温泉を目指します。このルートは船山史家さんに教えてもらった、氏がいつも走るルートなのだそうです。約5時間のドライブです。
それでは支払いを済ませてぼちぼち行くかな?
別所温泉最後の画像は、湯かけ地蔵。
ほんの少しだけ、地蔵になりたいと思ってしまったのは私だけ?(笑)
別所温泉 桂荘~食事編~ [別所温泉 桂荘]
さて、楽しみな夕食は18時30分頃から。準備ができれば電話が鳴ります。電話はちょうど18:30に鳴りました。
私たちが申し込んだのは、じゃらんのカード決済ぷらん 貸切温泉&部屋食@ほっこりというプラン。
ご覧いただいたらわかりますが、いろんな種類がある中でこのプランは最も基本的といえるものです。
したがって価格も比較的リーズナブル。それでも品数、ボリューム、味ともじゅうぶんに満足のいくものでした。
まず、宿のHPにはこうあります。
料理長でもあるオーナーが、その日の別所の景色を見ながら毎日考える食事は、郷土の食材、
川魚、山菜、肉を使用したこだわりの手作り料理です。 秋の松茸をはじめ、季節の味覚を取り入れた料理は、
通常の和風旅館とは違った、当宿ならではの創作料理が多く、お客様にご好評いただいております。是非ご賞味くださいませ。
実際に、出てくる料理は地元の野菜を中心にした創作料理で、通常の旅館食とは一線を画したものでした。
どれも手が込んでいて、とても美味しかったです
それに、
「板前(ご主人なのですが、こう呼んでいました)が一人で調理をしているため、配膳が遅れることや間が開くことがありますが、なにとぞご了承のほどをお願いいたします」
との案内もきちんとありました。小さいことかもしれませんが、こうやって事前に断りがあると気持ちに余裕もでき、私はとてもいいことだと思います。
ちなみに私が見る限り料理が遅れるとか間が開くとかいうことはなく、適切な間隔を持って運ばれてきたことを付け加えておきます。もちろん熱いものは熱く、のタイミングで。
このプランは部屋食なのですが、尋ねてみたら個室食もOKということでしたので、そちらでお願いしました。
食事後部屋に戻ると布団が敷いてある、というのが最も好むパターンですので
では、ぼちぼちいきましょうか。まずははじめに並べられていたものから。グラスビールはサービス。
先付。左から、・信州野菜の酢漬け(大根・人参) ・南高梅のゼリー ・小松菜のごま和え
野菜はすべて地元産のものを使っているとのことでした。そう言われればなんとなく味が濃いといいますか・・・
現金なものですが(笑)
この南高梅のゼリーが、なかなかうまかったですのよ。甘酸っぱくって、いい味を出していました。
私はこういう味、好きです。
これは、茄子と夕顔のあんかけ。あっさりとした、やさしい味でした。出汁巻玉子も美味
そういえば、お品書きはありませんでした。だからけっこう必死にお料理の名前を聞き、ときには妻にも確認しながら一生懸命メモを取りました(^^;
これが出色の美味さだった信州サーモンのにぎり
画像ではわかりにくいのですが、薄味のたれがかかっています。醤油をかけるよりこちらの方が絶対にいいと思われます。醤油はどうしても刺激が強いですからね。
このにぎり、口に含むとシャリがほろりとほどけて、絶品の美味さでした。
2個じゃ足らん! 妻のを・・・・あ、もう食べてやがった
ここでスープが運ばれてきました。朝採れインゲン豆のスープ。これもやさしい味でした。木のスプーンもいい感じ。
お料理は、若女将が立て板に水の流れるごとく説明してくださいます。よく通る声もきれいで、まるで女子アナウンサー。
少なくとも私が聞いている限り、一度たりとも噛んだり詰まったりすることはなかったです。
その若女将と話す機会があったのですが、桂荘のお料理は昨年から劇的に変わり、地元産へのこだわりを強めたのだそうです。
HPを見ると昨年11月に若旦那と若女将が復帰した、とあり、おそらくその後のことなのでしょう。
そしてそれがとても好評で、おかげさまでお客様にはよく来ていただいています、と誇らしげでした。
さてお次。
生の杏を鮎の一夜干しで巻いたもの、木の芽ソースがけ。右の画像はちょっとバラしてます。
三元豚(さんげんとん)と朝採れ信州野菜のロースト、人参のソース。
下に隠れている三元豚のローストが柔らかくて、ウマウマ もう1個喰いたい! 妻のは・・・早いな、写真を撮っている間にもう食べ終わっとる・・・(^^;
そして、紅豚のウデ肉のしゃぶしゃぶ。小鍋の中に入っているのは温泉水。これを自家製のポン酢でいただきます。
自家製のポン酢? そういや豊さんトコも自家製や、って言ってたな(笑)
もうすでにお腹はいっぱいになりつつありますが・・・熱々のこれが運ばれてきました。
信州山菜のグラタン 竹の子、玉ねぎ、アスパラが入っています。
いや~、信州のアスパラって美味しいねー それにしても竹の子のグラタンなんて初めて食べました。
ビールが進みます。
グラスはSAPPOROですよ~
(でも中はアサヒスーパードライ)
はじめのビールはサービスとのことでしたが、あとで1本追加。ビール大好きなんです、わたし
でも旅館って、スーパードライを出すところが多いですね。
実は翌日の湯神さんもスーパードライでした。
私は麦芽100%のどっしりした飲み応えのビールが好きなんですが、なかなか希望通りにはいきませんな(苦笑)
ちなみにドイツでは、麦芽100%でないと「BEER」と呼んだらあかんのだそうです。
もひとつちなみに、アメリカでは果汁100%でないと「ジュース」とは呼べないそうで、たとえば果汁20%とかだと、「パンチ」と言わなければならないそうですよ。
閑話休題
最後はフルーツのなんか。ボケボケですみません。でも味はよかったです。酸味があって、口の中をさっぱりさせてくれたような感じでした。ちなみに中の果実もすべて信州産
いや~、美味しかったです。他のプランには牛肉がついたものやケーキがついているものなどいろいろありましたが、私はこれで十分でした。
では次に朝食を。場所は前夜と同じ部屋でした。
これにお味噌汁とご飯が運ばれてきました。
ちなみにご飯も自家製とのことです。ウチのとどっちが美味い?
ニラ玉のスープ仕立て 茄子の煮浸し
鶏肉と大根の煮物 信州野菜のサラダ
蕗の煮物 小松菜のおひたし
そして、千曲川産子鮎の甘露煮。これだけでご飯が軽く2杯はイケます。
その具も地元産の野菜使用といいますから徹底していますね。
具はたしか、小松菜、大根、玉ねぎ、だったかな?
滋味豊かな、大地の恵みのお味噌汁
といった感じでした。
画像はありませんが、ご飯はつやつや。
長野産の米は何という銘柄なのかな?
聞き忘れました(><)
私的には、質、量ともに完璧。予想通り朝から3杯飯でした。おひつのご飯もカラに(画像撮り忘れ・・・・)
夜も昼も美味しかったです。
ごちそうさまでした。
それでは、出発するまでの時間、ちょっと散歩にいきましょうか。今なら雨も上がっています。
まずはすぐ近くの北向観音から。
別所温泉 桂荘~施設・お風呂編~ [別所温泉 桂荘]
今回の旅行の骨格を決めたのはちょうど1年前の昨年7月。
最大の目的は、行った人すべてが称賛してやまない蕎宿 湯神さんに行くことです。
何とも気の早いお話ですが、何といってもそこは会津の人気宿。しかもこの部屋・・・更科庵に泊まりたいという希望があれば、また日程的にその日にほぼ限定されるのであれば、今から予約を入れておいても間違いないだろう、というわけです。
(※ちょうどこの時期、田んぼの作業はひと休みになります)
しかし、大阪と会津は如何せん遠い。不可能ではないにしても1泊2日で行くには無理があり、できれば往路か復路のいずれかで1泊を入れないと運転がしんどい。というわけで、前後の泊まりをどこにするかが考えどころでした。
まず、楽しみは後に取っておいた方がよかろ、ということで湯神は2泊目に決定。
では1泊目をどこにするかですが、最初に考えたのは船山温泉。
その案をネット友の船山史家さんに持ちかけたところ、
「あの2宿をはしごするなんてトンデモナイ」
という反応が返ってきまして、“なるほどそんなものか”、と速攻で却下。
(近々そのルートを史家さんが実践されることになり、運命の皮肉を感じています^^)
次に海沿いを考えたのですが、東海道側は2日目に東京を通過しなければならないし(伊豆は相当に魅力的だったんだけど)、日本海側はどうもイマイチな上に往復とも同じ北陸自動車道を走るのは芸がない。
ということで、結局は長野県内に的を絞りました。ここなら勝手知ったる名古屋を通過するので好きなものを食べられるし(食べたのは既報通りあんかけスパゲティでした^^)、距離的にもちょうどい。
しかし
忘れていました。長野は温泉天国で、しかも行きたい温泉が目白押しなのを・・・・。またも悩みましたね~(笑)
仲良くさせていただいているみなさんのブログやHPを眺めつつ、しかも温泉ブロガーの一角として(最近はまったく温泉ブロガーっぽくなかったのですが、そこは置いておいて・・・)新しい宿も開拓したい、という意識もあり・・・かつ翌日の移動の便も考慮に入れ・・・・結局、鹿教湯温泉、戸倉上山田温泉、そして別所温泉の3温泉に絞り込みました。
その中から別所温泉に決めたのは、やはり私の愛読書の影響が大であったといえるでしょう。
その本とは、ヒントでも触れた池波正太郎の『真田太平記』全12巻。
実はこの大河小説の第1巻のはじめの方に別所温泉が出てくるのです。その後も折りに触れ、主人公や物語を彩る脇役たちが別所温泉につかって体を休めます。
この本を初めて読んだのはまだ昭和だった頃。思えばそこから二十数年来の希望がようやく実現したわけです。気の長い話だ・・・・(笑)
温泉を決めたら次は宿探し。
ここでもあちこちのHPを見て検討したのですが、ここ桂荘さんに決めたのは、部屋数が8室と少ないこと(HPをよく見ると10室とも書いてありますが)、3つある源泉かけ流しのお風呂がすべて貸し切りであること、創作料理がなかなか美味しそうなこと等が理由です。さらに1万円ちょっとという宿泊料も魅力でした。
前置きがやたら長くなってしまいました(^^;
それでは桂荘さんを紹介していきましょうか。
まず、場所は【ココ】。有名な北向観音の参道の傍らにありますので、すぐわかります。
8時半過ぎに自宅を出てから約7時間(そんなにかかっていたのか・・・・)、着いたときは生憎の雨。宿の方が傘をさして迎えてくださいました。
チェックインを済ませてお部屋へ。
部屋の名前は愛染。「あいそめ」と読むようです。
ちなみにこの日は平日(金曜日)にもかかわらず満室とのことでした。
2人なので6畳部屋(3階禁煙室)のはずでしたが、宿の都合で2階の10畳の広い部屋が準備されていました。もちろん否やはありません。
しかも3つある貸し切り風呂のど真ん前で、これは限りなくラッキー(^o^) 風呂の空き状況を、ドアを開けるだけでチェックできますからね。
後々これでだいぶ助かりました。
入ってみるとこんな感じ。すぐ前に冷蔵庫があり正面にはトイレ、その手前に洗面。お部屋は右側にあります。
テーブルや浴衣、冷蔵庫の中はご覧のとおり。
どうしても古さは感じますが、それでも清潔な感じで、私は好感が持てました。
窓の下が参道ですので、左に目をやれば北向観音が望めるのですが、この時期は深い緑にさえぎられてよくは見えませんでした。
一息ついたらさっそくお風呂に行きましょう
お風呂には、脱衣所の前の木札を裏返して「入浴中」にしてから入ります。(画像は山ノ湯のもの)
お、ひとつにはもう先客が。では香りの湯から。
これが香りの湯の入り口。右はちょっと熱めの山ノ湯です。
ここはレモンや柚子等の柑橘系の果物を湯に浮かべており、その香りを楽しむという趣向のお風呂です。今日はレモンが数個浮いていました。全部のお風呂が貸し切りになる前はここだけが貸し切りだったようで、少し古いパンフレットには「家族風呂」と紹介されていました。
脱衣所。せ、狭い・・・・(^^; たたみ1.5畳くらい?
これならお風呂はやはり・・・・狭かった(苦笑)
一人なら十分ですが、二人ではキツイ。それと、レモンの香りはほとんどしませんでした。
硫黄臭の方が強かったですね。
窓の外の景色は・・・・景色といえるのかどうか(笑) 秋ならいいかも、です。
お湯は熱いです。これはこのままじゃちょっと無理やな~ ということで、仕方なく水を入れました。
う~~~、久しぶりの温泉 気持ちいい~ 湯の花も浮いています。硫黄臭はするものの、そんなにきつくはありません。これは残りの二湯も期待できます(^o^)
香りの湯から出て、次は山ノ湯へ。HPには「四季の湯」とありました。名前が違っているのはなぜ?
右側が山ノ湯です。
先ほどの香りの湯と比べると、ここはかなり広いです。
やはり熱め。書いてある通りでした。でも入れなくはない。ゆっくりじわじわと湯に体を沈めていきました。
ほんの400~500年前、真田家の武将や草の者はこの湯に浸かったのか、と思うと感慨深いものがありましたね~(^^) クルマを運転中に山の風景を眺めながら、武将たちは馬をうたせつつこの風景を見たのかと思うと・・・・信州はいいところです。別所へと至る道は、のどかな山郷の風景の続く道でした。
源泉はここから注がれていました。
で、滞在中に一番よく入ったのがこの岩の湯。ぬるめのお湯で私には適温、もっとものんびりできました。
(私たちが泊まった部屋は、この岩の湯入り口の真ん前でした)
ここから階段を数段おりたところに入り口があります。
脱衣所。というか洗面。
広いです。いい風呂です。独り占めです。
外とつながっている岩をまたぐようにして風呂が形成されています。窓からの景色は決していいとはいえないのが少々残念。季節にもよるのでしょうが。
こちら源泉の注ぎ口。
最後に温泉分析と源泉利用表示、それに入浴の注意というヤツを。
それにしても外は雨。これじゃあ散歩にも行きにくい。
ということで、時間も来たようです。
そろそろ食事に行くとしましょうか。
桂荘さんは和風旅館ながら創作料理が特徴のお宿です。楽しみ~
【追記】
風呂上がり、まったりしながら見るとはなしに長野ローカルの情報番組を見ていると、オリンピックに合わせて「長野で感じられる英国」というような特集をやっていました。
すると、ん? どこかで見たような建物が・・・・何? この既視感。
あっと思いました
「ここって来るときに寄ったトコやん」
そう、別所への道すがら、偶然に立ち寄って妻が小物を買った雑貨店が映っていたのです。
ダンカミさんならご存知かも? R19沿いに建つビクトリアンクラフトというお店です(店のHPは店名にクリックを)。
ついでに書くと、実際に妻を応対した女性が番組内で案内をしていたそうです。
こんなことなら店の様子を撮っておけばよかった
なにせこのときは土砂降りの大雨、わたしゃ濡れるの嫌さにクルマの中で待機しておりましたので(^^;