(その14) 熊野古道 中辺路~前回の続きを歩く [紀州 龍神温泉]
今年の7月、熊野古道中辺路近辺を歩き、このブログでも紹介させていただきました。
(http://nanishiteasobo-hiro.blog.so-net.ne.jp/2016-09-08)
今回はその続編にあたります。7月に歩き残した分を秋に“走破”ならぬ“歩破”し、一応つなげようかと、そういうような趣旨です。
まあつなぐといっても、これは古道歩きの里ちかつゆの古道歩き館が設定した体験コースであって、それ以外に大した意味はないのですが(^^;
まあとにかく、数か月ぶりに戻ってきました。
前回は、道の駅中辺路をスタートして牛馬童子像を回り、主に山道を歩く1時間コース。この施設の西側にあたります。
今回は1.5時間の、野中の清水から継桜王子を経て古道歩きの里に戻ってくるコースです。これは東側。
そのスタート地点である野中の清水。日本の名水100選に選ばれている、本当に美味しい水なのです。
http://water-explanation.com/meisui/meisui100sen/nonakanosimizu/
「茂吉」は斎藤茂吉と思われます。
湧き出る水はどばどばと流れていきます。いわゆる“源水”かけ流しですな(笑) おそらくは、熊野古道を歩く旅人の喉を大いに潤したことでしょう。もちろんこの水は誰でも好きなだけ持ち帰りができます。
和歌山ナンバーのクルマのおじさんが、前掛けをするなど手慣れた様子で水を大量に汲んでおられました。見ると18リットルのポリタンがクルマに十数個積んであり、聞きはしませんでしたが、おそらくは商売に使われるのではないでしょうか。例えば喫茶店とか。もしくはお風呂? いずれにせよ、凄い量ではありました。ウチですか? ウチは500mlのペットボトルに入れて帰り、炊飯に使いました。味は・・・・そこまではわからんです(^^;
さて、前回とは違って今回はこういう道を中心に歩きます。「古道」とはいえ、見方を変えれば現地の方々の生活道路です。山道や石畳の道もありますが、そこに住む人々の往来する道でもある以上、クルマが通れるように整備されるのは至極当然であって、そういうものが縒り合されるようにして現代の熊野古道は成り立っています。
野中の清水の脇を直登すると、今は休業中のとがの木茶屋がありました。何も売っていませんが、一応休むことはできます。
この奥に石碑があり、
石段の上に社がありましたが、階段を上るのが面倒だったのでやめました。
歩く道の脇にはこういうものも(^^) ここが「生活のための道」だと改めて気付かせてくれます。うるさく騒ぐなんてもっての外、「歩かせてもらっている」という意識を持って歩くように心掛けました。
道標はあるものの、
それを見落とすと悲惨な目に遭います。実際、今回は道を間違い、行って戻ってで30分以上ロスしました。ガイドブックを見ていたつもりが、ミスってしまった 実に情けないです・・・・
春には無理だな、と立派な杉木立を横目に見ながらてくてくてくてく・・・・
アザミの花を発見! アザミというとすぐに連想するのが、私が心から敬愛する中島みゆきさんのデビュー曲『アザミ嬢のララバイ』。ラジオを通じての衝撃的な出会い・・・・もう40年以上も前のことなのよね~ 一方通行ながら、長い長いお付き合いです。
次は比曾原王子。古道歩き館のガイドの方が「看板はあるけど何もないです」といっておられたのでスルー。
妻が見つけた鮮やかな紫の実。「紫式部」という名前なのだそうです。まるでグミみたいですね。食べられるのかな~?
みかんの若木の脇を歩きます。そこから振り返ると見事な秋晴れのスカイブルー
道中こんな目印もあり
適度な道標を確認しながら歩きます。
舗装路だけでなく、少しながら山道もありました。
途中で見掛けた廃屋。もう何十年も人は住んでいないのでしょう。お風呂からそそり立つ煙突がまるで墓標のようです。こんな廃屋、今回はあちこちにありました。
もう少し続く山道。木洩れ日が揺れるこんな山道、私は大好きです。もう失ってしまった若き山岳部の頃の日々が甦ります。
ぶっとい孟宗竹を脇に見てしばらく歩くと、古道歩きの体験コースは終了です。
(この後しばらく画像はありません。道を間違ったダメージが思いのほか大きく、疲れてしまってそれどころではなくなってしまいました(苦笑))
昼食は古道歩きの里のフードコートで摂るのではなく、道の駅中辺路でいただきました。
いただいたのは
おすしセット、360円也。
さんま寿司、稲荷寿司、そして和歌山名物めはり寿司の盛り合わせです。朝、旅館でたっぷり朝食をいただいたので、この頃すでに14時になっていましたが、とりあえずはこれでじゅうぶん。結構イケましたよ
最後の1枚は道の駅中辺路にあった牛馬童子のレプリカ。
これで2回目の龍神温泉の旅は終了です。
3回目ですが・・・・たぶんあるんじゃないかな?
(その13)上御殿 食事編 [紀州 龍神温泉]
夕食は18時と18時半が選べましたが、昼に美味いラーメンをガッツリといただいた私たちは18時半を選択。
部屋食でした。炬燵の上に、次々と料理が並べられていきます。お品書がなかったため、料理の名前は妻と私の記憶で。
まずはじめに。
前菜は7種。左から、蟹のテリーヌと、その後ろに隠れている黒いのが龍神村の郷土料理、ゆべし。さらに生春巻、こんにゃくマヨネーズ、梅の煮たもの、安納芋+レモン、そして栗を渋皮ごと煮たもの。
この中ではやはりゆべしが強烈でしたね。酸っぱさと苦さ、ほんの少しの甘さが混然一体となり、まさしく珍味です。
わさび漬け
。
野菜の炊き合わせ。これは後のごはんのおかずのために取っておきました。ゼンマイは私の大好物
妻の好物、胡麻豆腐。これも地域の名物ですね。高野山でご飯をいただけばかなりの確率で付いてくる食材です。
イタドリの胡麻和え。独特の食感があって私は好きです。この料理は萬屋さんでも出されたことから、龍神村の名物なのだろうと推察されます。
あ、飲み物はビールから 日本酒をあまり飲まないほうなので、どうしてもこちらで済ませてしまいますね。
山芋のすりおろしに
こんにゃくの酢の物。もずくがあしらわれていました。ちょっと柚子の香りがしたかな?
この丸いのはじゃがいもです。ハッシュドポテトを丸めて揚げたような感じ。それを餡かけにすることによって、本来西洋風の料理を和風に仕立て直しています。
鹿肉のタタキは運ばれてきたときはまだ凍っていましたが、食べ進めるにつれて融けていき、いい具合になりました。とろっとしてビールによく合います。うまうまですわ
ここでアマゴの塩焼きが登場 夏場であれば鮎が来るところですが、この時期は獲れませんので、代わりにアマゴが出てきます。体にある赤い斑点が特徴。添えられている柚子を絞っていただきました。
もちろん骨ごとイケます。頭も問題なし。尻尾まですべていただきました。
鶏肉の寄せ鍋。これはポン酢とかにはつけずそのままいただくのですが、ダシがすごく効いていて本当に美味しかった 出汁までほぼ残さず完食しました。
ご飯前のラストは野菜の天ぷら。天つゆだけでなく、手前のピンク色の梅塩でもOK。
この中では、さすがに山里だけあって椎茸の味がすんごく濃かった。スーパーで買う椎茸とはモノが違います。思わず帰りに道の駅で椎茸を買って帰りました。やはり味が濃厚でした。家で味噌鍋にしていただきましたが、味が味噌に全然負けてなかった。本当に美味しい椎茸でした。この道の駅では、他に梅干や巨大な平茸も買いましたが、いずれ菖蒲か杜若(かきつばた)、購入した野菜のすべてが本当にうまうまでした。小さな道の駅ですが、販売している食品や野菜は相当な高レベルです。
この道の駅、しらまの里といいます。R424沿いにある山間のとても小さな休憩スポット。おススメです
さて話が横道に逸れました。
ご飯とお吸い物。お吸い物には小餅とじゅんさいが少し。
デザートはキウイの寒天、マンゴーソース。
野菜の多い比較的健康的な夕食で、妻は大変気に入っていました
肉も高タンパクで低脂肪な鹿肉でしたし、鶏肉があったとはいえ寄せ鍋だし。鹿肉なんかはもっと食べられてもいいと思うのですが、日本ではあまり流通していませんね。北海道ではおそらく余るくらいあるのではないでしょうか。間違っていたらごめんなさい。
さて朝食も野菜たっぷりの盛り沢山でした。
朝食会場は玄関入ってすぐ左の和風ロビー。下の画像の灯のともった障子の向こう側にあります。見てのとおり道路とは障子を1枚隔てただけですので、自動車の走行音や人の足音、会話などが丸聞こえなのは致し方のないことでしょう。ま、食べてりゃあまり気にもなりませんでした。朝から2度、露天と内風呂に入ってきましたからお腹も空いていましたしね(^^)
8時半に行くと、前客はもう食べ終えてこんな感じ。
朝食は基本的に一気出し。でもこれでじゅうぶんですよ、私にゃ。
小鍋は湯豆腐です。
漬物にインゲンの胡麻和え、イタドリの煮物
しめじ海苔、野菜の炊き合わせに生卵。
お皿の真ん中には紀州名物、金山寺味噌。そういえば金山寺味噌を作る過程で生まれたのが醤油とのこと。まあ諸説あるそうですが。
お味噌汁は豆腐とわかめ。
さらには苺ジャムヨーグルトで締め。朝から三杯飯でした。だってご飯が進むおかずばかりなんですから、こればかりは・・・・(笑)
さて。
お部屋に戻って一息つき、そのあと熊野古道中辺路へ行きましょうか。
(その12)上御殿 お風呂編 [紀州 龍神温泉]
さて、龍神温泉の醍醐味は、日本三美人といわれるその湯にあることは言うを待ちません。前回の龍神では萬屋さんと元湯に浸かってきましたが、上御殿さんはいかがでしょうか。
まずB1F端の私たちの部屋を出ると、ピカピカ光る廊下のず~っと奥、突き当りに引き戸が見えます。あれが温泉への入り口
ピカピカの廊下をとことこと進み、
この扉を開けると
右側に半透明のトタンに囲われた階段があります。今の時期はまだ大丈夫でしたが、冬場、この通路は極寒になるのではないでしょうか。濁河温泉の旅館御岳がそうでした。風が遮られる分かなりマシではあるものの、この程度の覆いでは気温はほとんど外部と同じはず。結構堪えるのではないかと私は思います。
さはさりながら、この階段を降りると、
狸がお出迎え(^^)
入浴時間は15:00~23:00、および翌朝は6:00~9:30となっています。あまり行かないものの、深夜は入れません。
まずは内湯から。男女の入れ替えはありません。おそらく左右対称の、全く同じタイプかと思われます。
階段を降りきると、お風呂が並びます。手前が男湯、その奥が女湯。これらはいずれも内湯です。
ジャスト15時に内湯に突撃
脱衣所は、おそらく別館の廊下などと一緒にリニューアルされたのでしょう。木目も鮮やかで、非常に清潔な印象を受けました。歩き心地もよくてね これらには龍神村産の木材をふんだんに使用しているのではないでしょうか。
内湯はそんなに大きくはありませんでした。明朝6時過ぎに行くとすでに宿泊客のおじさんが入浴しており、私の後からまた一人来て3人で足を伸ばして浸かったら、ほぼいっぱいでした。それでも誰かと会ったのはこのときだけで、あとは常に貸し切り状態でしたが
お湯は温めで長湯ができる感じ。もちろんお肌すべすべです。硫黄臭さはまったくないです(だって火山ないし)。無色透明、乳液のような肌触り・・・・やっぱいいお湯だわ~(^o^)
カランは4基。十分でしょう。
さて、廊下の突き当りが貸し切りの露天風呂。ドアノブのプレートを裏返し、内側から施錠して入るタイプです。
入ってすぐ左側に脱衣スペース。ここは扉もなく外部とスースーですから、寒さが直撃する構造となっています。カゴが6個ありますが、6人で入ったらちとキツイかな?
露天風呂は、数段の階段を降りたところにあります。眼下に見えているのは日高川。
内湯に比べると、露天風呂の湯は少々熱めでした。これはぬる湯好きの私に入れる限界くらいかも・・・・。
真っ赤な紅葉に清流、そして川向こうに見える緑黄樹。これらを露天風呂に浸かりながら揺蕩うお湯越しに眺める・・・・なんと贅沢な午後でしょうか 露天風呂は昼間に限りますね
紅葉の葉っぱがお湯に浮かんでいました。秋の温泉ならではの一風景
(その11)上御殿 施設編 [紀州 龍神温泉]
今日のお泊りは上御殿。「かみごてん」と読みます。HPにもありますが、紀州藩の藩主が龍神温泉に来られた際に泊まることになっていた宿です。その部屋がそのまま残っており、「御成りの間」といって宿泊客が泊まることもできます。ただ、江戸時代の施設だけに鍵もトイレも洗面所もなく、現代の旅人には不便ではあるのですが、その格や醸し出す雰囲気はそういったものには代えがたいのでしょう。
また、小学生以下の子供はお断りの宿でもあります。
今回この宿に決めたのは、一に妻がその佇まいに惚れ込んだからです
すでに前回の龍神温泉の帰途から、「次は上御殿がいい」と言っていたほどで、じゃあ米作りがひと段落ついた11月に行くことにしようかと。紅葉も綺麗かもしれないし、となった次第。
しかし、何より二人とも龍神の湯が大のお気に入りになっていましたからね。本音はあの湯にぜひもう一度、といったところかもしれません。
まずは外観から。
これは到着時の1枚。前述の「御成りの間」はこの2階にあります。道路に面しているために、どうしても自動車の走行音や歩行者の会話などが聞こえてしまうそうです。
これは夕方、正面の駐車場から。
宿にはチェックインの10分ほど前に着いたのですが、クルマを停めていると宿の方が出てきて、「準備はできていますので、中へどうぞ」とのこと。お言葉に甘えて中に入れさせていただきました。
玄関前のこれ、なんという名前だったでしょうか。「軒行燈」とは違うし・・・・。『劇的ビフォーアフター』で2~3年前に木曽福島の築何百年の元民宿をリフォームしたときに登場していたんですけど・・・う~ん、思い出せない(ーー)
入ったら正面に花が活けてありました。
このプレートは、龍神ではおそらくどの宿にもあるのだと思われます。
すぐ右には休憩所兼喫煙室。そして左側にあった朝食会場にもなった和風ロビー。しかし私たちの到着時は閉められていました。これは翌朝の出立時に撮影
そして。
この宿には、ふつう宿には必ずあるものがありません。それはフロント。先ほどの花の左奥に一本の木からつくられたであろうベンチはありましたが、その程度で、いきなり部屋に案内され、少々面食らいました。
これは本館2階へ上がる階段。例の御成りの間はこの階段を上ったところにあります。
ただし、宿泊客以外は上らないように書かれています。
さて、一般客が泊まる別館へは、この廊下の少し先を右に折れて行きます。
軒先に吊るしてある柿が季節を感じさせてくれますね。そういえば和歌山はみかんだけでなく、柿も名物なんですよ
画像はありませんが、この干し柿の渡り廊下を行くと、すぐに客室があります。4室だったかな? その前を歩き、階段を降りると、
私たちの宿泊するフロアと、温泉への入り口があります。
別館は、そう遠くない過去に、廊下などがリニューアルされたものと思われます。さすがに木の香りは残ってはいませんでしたが、何よりきれいでした。別館が建てられたのは昭和か、平成に入っても一桁年のかなり前のようですから、そうとでも考えないとこの木のきれいさは理解できません。後述しますが、肝心要のお風呂も十分に美しさが保たれていました。
さて、私たちの部屋は上記の画像を右折し、その右端の部屋になります。
つまり、宿の構造は、和風ロビーや客室のある階が1階で、私たちが泊まった部屋、および温泉への入り口は地下1階にあり、温泉はさらにその下、つまり地下2階にあるわけです。日高川に沿ってその崖に建てられている以上、こういった構造になることは当然なのでしょう。側面からを簡単に描いてみました。
いずれにせよ、お風呂から近い位置に部屋があることはよかったです。以前の萬屋さんでは3階から地下1階まで歩く必要があったので、それに比べればかなり楽でした。
宿泊した部屋は、地下1階の端、「満緑」という部屋でした。一番端、ということは角部屋でもあり、明るくていい部屋でした。
入ってすぐ左にトイレ。
そしてふすまを開けると、炬燵がど~~んとその存在感を放っていました。
日本旅館ですな~
洗面台(下には冷蔵庫)と化粧所は縁側に。
タオル掛けが木製なのは最近では珍しい。(引っ張り出してきて撮影)
縁側にあったこの木製の椅子ですが、微妙なカーブが設けられていたりして、実に座りやすい。夏場であればひんやりとしてさらに座り心地がよかったと思います。この椅子ですが、来る途中に立ち寄った道の駅 日高川水の郷里 龍游にあった、G.WORKS(←クリックどうぞ )というところで造られたものと思われます。そこでは妻が写真立てなどを買ったのですが、同じような椅子が何脚か展示され直売されていました。すべて龍神村の木を使って造られているのだそうです。
さて話がガラッと変わって、炬燵の上のお茶菓子。上御殿の銘入りのせんべいと南高梅。
【
窓からの風景。直下は日高川です。温泉棟の屋根が見えます。この下は貸切の露天風呂ですね。紅葉にかなり期待をしていたのですが、杉などの針葉樹が多いのと。時期的に少し早かったせいもあってか、限定的なものでした。それでも紅葉は真っ赤に色づいており、その華やかさは目を楽しませてくれましたよ
次回はお風呂編です。
(その10)かつて日本一のラーメン店 和 dining 清乃さん [紀州 龍神温泉]
今年の夏、和歌山の山深く、高野山の南にある龍神温泉で連泊、熊野古道を体験歩きしてきましたが、これ以降はしばらく今年の秋に行ってきた、その続編をお送りしたいと思います。続編ということで、(その10)からの再スタート。
その割りには、いきなりラーメンの記事で面喰った方もいらっしゃるかと思いますが、そこはそれ、初日の昼食だということで(笑)
どうしても行きたかったラーメン店です。この機会についに実現しました。近畿圏内で私が最も行きたかったお店のひとつ。店のお名前は和 dining 清乃さん。食べログで日本No.1になったこともあるという名店です。あとで写真を載せますが、店内にはそういうレリーフなども飾ってあります。
ことラーメンに関しては食べログの点数を鵜呑みにするほどド素人ではありませんが、それでもある程度参考にはします。遠方のラーメン店でハズレだけは引きたくありませんからね。さらに日本No.1を獲得したというのにはそれなりの理由があってのことなのでしょう。どういう味がそうなのか、確認したい思いもありました。
場所は【ココ】(←クリックどうぞ)。往年の高校野球ファンには懐かしい、あの「箕島高校」の川をはさんだ南側。
今回は、龍神温泉ヘ向かう途中、少々遠回りをして立ち寄りました。普段から行列の絶えないお店、隣県とはいえ遠方でもあり、こんなことでもない限り滅多に行くことのできないラーメン店です。
外観。ビルの1階で、行列用のスペースがすでに設定されており、こういうところからも人気のほどが伺えました。ちなみにGWなどの連休時には整理券まで発行されるのだそうですよ。
(それにしてもこのマンション、私は住みたいぞ^^)
到着は11:10くらい。入店したときにはもう麺を啜り込んでいる人がいましたから、彼らは開店前に並んでいたのであろうと推察されます。
私たちが着いた11時過ぎはすでに開店時間を過ぎていたこともあり、並ぶことは覚悟していましたが、そういうこともなく案外すんなりと着席できました。しかも妻と二人だったこともあってテーブル席(→間仕切りが高く、独立性の高い席でした)に案内され、写真も気楽に撮ることができました。普段通り一人ならカウンターは間違いなく、周囲に遠慮してなかなか写真が撮れませんから、これはラッキーでしたね。
また、案内してくださった女性の店員さんはとても愛想がよく、不機嫌な人が少なくない超人気店の接客とは思えないほどでした。
で、テーブル席に座った成果です。上述した食べログ等から表彰されたのであろうレリーフ。
TOP3 の文字も見えます。
メニューは画像をたっぷりどうぞ 普段はこんなにないよ~(笑)
注目すべきは、お客さんの半分以上が和歌山ラーメンを注文されていたこと。普通、お店推奨のラーメンが一番人気になるはずなんだけど、これはかなり意外でした。やっぱり地元の方には地元のラーメンが好まれるということでしょうか。
そしてヨソ者の私はお店お薦めの角長醤油「匠」を特選全部のせで。普通ならバラチャーシュー2枚のところ、バラ、炭焼き、鶏の3種類のチャーシューに加え、ワンタンが2個乗ります。これで+300円。ただし、この「匠」には大盛の設定がありません。なぜかわからないけど、とにかく大盛がない。で私は、贅沢にも「しらずごはん」をオーダーしました。これで、「匠」800円+「特製」300円+「しらすごはん」200円=なんと1,300円という超豪華な昼食ラーメンとなりました
テーブル調味料はコショウのみ。
待つこと数分で着丼。
まず来たのはしらすごはん。前回の龍神温泉への旅では帰りに湯浅の駅前で生しらす丼をいただきましたが、今回は釜茹での方。小振りなお茶碗で、ラーメンの友としては適度な量です。醤油はお好みで。
さすがというか何というか、小さな魚やタコの子供も一緒に入っていました。小魚の方はしらすが成長したものでしょうか、小さな鰯のように見えないこともありません。
さて角長醤油「匠」です。(画像左から)バラ、炭火焼き、鶏の3種類のチャーシューがどんと強調され迫力があります。また、ネギの山の中に屹立する赤カブが紅一点、彩に華を添え、ネギの緑に玉子の橙(だいだい)、さらにメンマの薄茶色が白色のどんぶりの中で互いに主張しあいながらもバランス良く配置され、見た目にとても美しいラーメンに仕上がっていると私は思います。見た目に美しいラーメンというのはあるようでなかなか無く、私は麺人ばろむ庵さんの新中華そば(アドレスを探す)と、かつて一度だけ行った奈良・田原本の暁製麺さん(? アドレスを探す)がベストと感じていましたが、和dining清乃さんもこの仲間に加えられると思います。
そして肝心の味ですが・・・・スープを一口含んだだけでその旨さがわかりました 一言でいえば、鶏ガラ魚介のベースの上に強めの醤油がガツンと来て、全体でコク深い旨みが感じられる味。ネット友の千葉の遠霞さんのヘビーローテーション店である、栄昇らーめんさんに通じるものを感じました。そういえば、ここ和歌山も千葉も同じ醤油の名産地、ある意味それも当然のことかもしれません。旨い醤油が無ければそもそも成り立たないラーメンであるといえましょう。
ただ、この醤油の強さは関西よりも関東の方でさらにウケるかもしれない、という気はしました。おそらく、いや間違いなく超弩級の行列店になることでしょう。
チャーシューは3枚。左からバラ、炭火焼き、そして鶏。どれも間違いなく美味しいチャーシューでした。鶏があっさりめの味付けで、逆にいいアクセントになっていたように思います。
煮玉子とワンタン2個。ぷりぷりのワンタンって案外ラーメンにも合うもんですね。スープの美味さがワンタンを引き立てているようです。
メンマと、表面がつるつるのやや太麺。自家製麺とのことですが、エッジの効いた四角形の麺でした。メンマは柔らかめのタイプ。これは、あっさりしつつ醤油が強めに出ているスープにベストマッチ。
一気食いでした。美味かったですよ、本当に~ 満足の一杯でした。
ただ、和dining清乃さんは「超」のつく人気店、しかも遠方であること(自宅から下道で約2.5時間)から、隣県とはいえそうそう来ることはできません。
しかし、機会があればぜひ再訪したいと思います。そういうお店です。
最後に、龍神温泉に向かう有田川町のR424で信号待ちの際に撮った1枚。この時期、有田川町ではこのような風景がどこでも見られます。帰りにお土産で買って帰りましたが、ジューシーで甘くて本当に美味しかったですよ♪ 妻が食べ過ぎてお腹をこわすくらいには(爆)・・・・いや、笑っちゃいかんか(^^)
(その9) 湯浅駅前 かどや食堂で生しらす丼 [紀州 龍神温泉]
龍神温泉の旅も最終日となりました。この日の予定は、醤油発祥の地、湯浅で醤油蔵の見学をし、そのあと生しらす丼を食べて帰宅する、それだけです。
龍神温泉から、みかんで有名な有田までは約1.5時間。有田はとにかくみかんの木が多く、街中いたるところにありました。ほんのわずかの土地にも木を植えているような感じで、さすがとしか言いようがありません。
醤油蔵を見学させてくれたのは、湯浅醤油さん(←クリックどうぞ)。私たちは事前に予約しましたが、予約をせずとも随時案内してくださるようです。この日は、このお嬢さんが案内してくださいました。
とにかく驚いたのが巨大な杉の樽。この樽1本で一升瓶3,000本分あるとのことです。絞り方にも特徴があり、じわじわと絞り出しています。
これは、2Fから撮影した樽の上部。
醤油を絞る工程。1週間くらいかな、じっくりと時間を掛けて絞るのだそうです。
醤油の原料。安価な醤油は、絞りかすのような加工大豆を使っているのだそうですよ。
この日は作業が組み込まれておらず実際の櫂入れや搾り出しの作業を見ることはかないませんでしたが、運が良ければ見学することができるのだそうです。
ここでお土産に醤油を買い込みました。湯浅醤油さんの醤油は私たちが普段スーパーで買う量産品とは全く異なり、これが同じ醤油か、と思うほどおいしい。煮物などをした際の味が全然違います。まったく別物です。
さて、醤油を買い込んだ後向かったのは本日の昼食。初めからこのお店に狙いをつけていました。
そのお店とは、JR紀勢本線・湯浅駅すぐ近くのかどや食堂さんです。さきほどの湯浅醤油さんからクルマで4~5分の至近距離。ここで生しらす丼をいただくのが目標でした。実は私、この歳になるまで「生しらす丼」なるものを食べたことがない。一度は食べてみたいものですが、なかなかそういう機会がありません。
「生しらす」は静岡が圧倒的に有名ですが、そこまでわざわざ食べに行くのもしんどい。
で、今回の旅で昼食をどうしようとググっていたら、なんと和歌山で食べられるところがあるではないですか。しかも湯浅醤油さんのすぐ近く! となると行かないわけにはいかない。
こちら、お店の立派なHP→http://www.yuasa-kadoya.com/
行きました。
駅前のお店とはいえ、駐車場はお店のものに加え、駅前に無料の観光用の駐車場もあるので特に心配もなく、GO
昼用のメニュー。
私は初めから決めていた待望の「生しらす丼」に即決、妻は考えた末に「しらす丼とわかめうどんの定食」に決定。ただし、「生」ではないしらすも食べたかった私のために、しらす丼は大きめサイズにしてもらいました。
待つことしばし、ついに「生しらす丼」の着丼です。
ほぉ~、これが待望久しかった生しらすか・・・・。
お店の方が食べ方を指導してくれました。
まず生しらすを、下に敷いてある大葉ごとダイブ
次に醤油に生姜を投入してよく混ぜ合わせ、生しらすにぶっかける
最後にもみ海苔をその上に乗せ、
あとはひたすら掻き込む!
うまぁ~い! 生しらすが口の中でとろけます。直後に魚の旨みがぶわ~っと広がり、生姜醤油のピリッとした辛さが舌を刺激して・・・・。「生しらす」って、こんなに美味しいモノだったのね?
一気に生しらす丼を平らげた後、引き続き妻のしらす丼が回ってきました。
お、これまた美味いですね 刻んだ大葉の爽やかさがいいアクセントになって、しらすの甘さを引き立ててくれています。う~ん、こっちもなかなか捨てがたいですな~(笑) これは次回はこっちかな?
いや、満足でした。美味しかった。また来ますよ、このお店は。
龍神温泉の再訪、再再訪の際に是非
さて、しばらく続いた紀州・龍神温泉も今回でひとまず終了です。ただ予告をひとつしますと、龍神温泉にはこの秋に再訪がすでに決まり、もう宿の予約も済んでいます。また新たな龍神温泉と熊野行動をご紹介できるかな、と思っております。
この後しばらくは、たまっていたラーメンをはじめ、大阪グルメを紹介したいと思います。
よろしくお付き合い下さいませ(^^)
(その8) 曼陀羅の滝@龍神温泉 [紀州 龍神温泉]
本日、台風16号接近により大阪府および奈良県全域に大雨・洪水・暴風警報が出ており、私は自宅待機中です。でも、これで有給休暇を1日消化させられるのは、何かもったいない気がしますね~
さて、龍神温泉のお話も今回を含めあと2回です。
2日目、龍神温泉元湯に行く前、実は妻と私は曼陀羅(まんだら)の滝を目指していました。曼陀羅の滝とは、大正から昭和にかけて書かれた中里介山の小説「大菩薩峠」に出てきた滝で、主人公の机竜之介が失明しかけた目を洗ったと記されている滝のことです。平成の現代、「大菩薩峠」という本のことを言っても一体誰が知っているのか?
私はかつてこの本、全20巻を読了しました。でも、後半の方はかなりしんどかったです。歴史伝奇小説がなんだか宗教書のようになってきて、すべてが未完に終わった「幻魔大戦」のようにあらぬ方向に話が行ってしまって、もはや最後は惰性で読み終わった感じ。
さて、その曼陀羅の滝。第1回目の挑戦は前述通りの2日目、熊野古道から帰ってきてからその足で向かいました。まずはこの階段からスタート。
苔生した階段は雰囲気が素晴らしく、思わず声を上げたほど。
階段はすぐに終わり、温泉寺に到着・・・・
したものの、そこから先の階段には何とバリケードが。強引に突破して登ってみましたが、上には温泉の汲み上げ施設(?)があるだけで、そこから先にルートはありませんでした。
行きたくてもルートがなければ行かれない。諦めて宿に戻りました。あとで宿のご主人(何と苗字は龍神さん。カッコエエな~)に「ルートがなく行けませんでした」と報告すると、別のルートがあるとのこと。その日は諦めて翌日、つまり最終日のチェックアウト後に行くことにしました。
再挑戦はバス停から上る、先日とは別ルート。ところがこのルートを歩くことで、前日道がなかったと思った温泉寺からもちゃんとルートがあったことが判明。バリケードがあった道とは反対の側に道があったのですな、それを見つけられなかった私のミスでした
※ここが龍神温泉のバス停です。JRの駅では、紀伊田辺駅から1時間20分、1,700円でした。
民家(兼食堂)の脇を通っていくと、貸し出し用の杖が。木を削っただけのシンプルな杖でしたが、私たちは使わず。
急な石畳の道を登って行きます。昨日の熊野古道と比べて急峻な道です。妻ははや息が切れていました。
やがて石畳が山道に変わり、沢の音が聴こえ始めると滝はすぐ。
そして曼陀羅の滝に到着です。ここで解説をどうぞ
この滝、決して落差はありませんが雰囲気がいいですね。こういう水は間違いなく美味い
立ち入り禁止のため飲めなかったのが、かえすがえすも残念です。
それにしても、こんな山の奥の滝、よく見つけたもんだな、とそちらの方で感心しました。
(その7) 龍神温泉 元湯 [紀州 龍神温泉]
龍神温泉には「元湯」という日帰り温泉があります。
宿の玄関を出て右へ300mくらいでしょうか。散歩ともいえないほどの歩きですぐに着きます。
この画像は宿を出て右を向いたところ。この先の方に、もう元湯は見えています。
龍神温泉で最も有名な旅館、上御殿を過ぎ下御殿を越えると右側に見えてきます。
上御殿。この建物は国の有形文化財に登録されており、「御成りの間」は紀州徳川公が宿泊した部屋であり、現在も当時のままの形で残っているとのことです。
正面からの画像。
下御殿。ここは「日本秘湯を守る会」の会員。
下御殿の左隣りが龍神温泉 元湯。
元湯の壁面に埋め込まれていた、このレリーフがカッコいい
向かいには社が。その隣りの石碑に、駐車場の壁に埋め込まれたもうひとつのレリーフ。
この木製のプレートは他の川中温泉や湯の川温泉にもあるのでしょうか。
上部に龍の絵が描かれているところを見ると、他の温泉地では絵柄が異なるのでしょうね。
お客さんは、宿の宿泊者とともに、やはり通りすがりの人も多いようで、大きなバイクが前に停められていました。
元湯は循環と併用の源泉かけ流しで、そのお湯の素晴らしさは宿泊した萬屋さんと同等かそれ以上。
自噴の湯とボーリングで汲み上げた湯の二通りが、内湯で分けられています。正直目隠しをされて入ったらどっちがどっちかわからないかも、ですが、心なしかボーリングの湯の方が滑らかなように感じました。本当になめらかで肌触りのいい、紀州随一の湯・・・・ 同じ和歌山の温泉でも、白浜や勝浦より確実に不便で本当に何もない山の中ですが、素晴らしいお湯が自噴しています
ちなみに入浴料は700円ですが、龍神温泉に宿泊している人は入湯税が免除となるため550円で入浴できたことを付け加えておきます。
もし龍神温泉に宿泊しなくても、近くを通るのであれば、是非ここ元湯に寄られることをお薦めします。それほどに素晴らしいお湯です。絶対にその価値はあると思います、私は
(その6) 熊野古道 中辺路 [紀州 龍神温泉]
熊野古道とは、Wikipediaによると「熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へと通じる参詣道の総称。紀伊半島に位置し、道は三重県、奈良県、和歌山県、大阪府に跨る」とあり、主に以下の5つの道を指します。
・紀伊路(渡辺津 - 田辺)
・小辺路(高野山 - 熊野三山、約70km)
・中辺路(田辺 - 熊野三山)
・大辺路(田辺 - 串本 - 熊野三山、約120km)
・伊勢路(伊勢神宮 - 熊野三山、約160km)
がそうです。ちなみに、上記のうち紀伊路は世界遺産には含まれないのだそうです。
今回の旅では、妻から「熊野古道に行ってみたい」との希望が出され、さてどうするかと頭を悩ませました。
龍神温泉からさほど離れていない場所で、比較的簡単に熊野古道を歩くことのできるエリア、場所を探すべくガイドブックを立ち読みし、またネットを徘徊し、その結果たどり着いたのがここ、古道歩きの里 ちかつゆでした。
(HPはこちら→http://www.chikatsuyu.jp/)
体験プランを申し込んだときにもらったパンフレットを見ると、ここはどうやら南海の経営のようですね。
「古道歩きの里 ちかつゆ」は道の駅的な要素もあり、敷地内にはA-coopも建てられ、食料、飲料の買い出しには事欠きません。
オープンしてまだ間がないものと思われ、建物はいずれも新しかったです。こういう施設には付き物のお土産屋さんや食事処ももちろん在りました。
そしてもっとも特徴的なのはここでは「古道歩き体験プラン」というものをやっていることです(ただし500円/人が必要)。私がここに行き当たったのはここに大きな理由があります。
体験プランには3つのコースがあります。
①:牛馬童子コース(約1時間)
②:継桜王子コース(約1.5時間)
③:①と②を通しで歩くコース(約3時間)
ガイドが付くわけではありませんが、何より便利なのがスタート地点までクルマで送ってくれること(③は迎えもあり)。これなら車道を歩いてスタート地点まで行ったり、同じ道を往復する必要もなく、片道だけを歩くことができます。もちろんゴールは、クルマを停めているここ「古道歩きの里 ちかつゆ」となるのですが、到着時刻を決められるでもないので、自分たちのペースで熊野古道を楽しむことができるわけです。
私たちは山の中を歩くことになる①のコースを選択しました。およそ1時間の山歩きは適度な運動にもなりますし、何より木々の下を歩くので比較的涼しいであろうことが予想されましたので。そしてそれは大正解でした。
歩いたのはこの図の中央部のほんの一部のみ。
スタートは道の駅 中辺路です。ここから国道を渡ったところから歩き始めます。
いきなり山道が始まります。
これが熊野古道
スタートから300mの地点の道標。このような道標が至る所にあり、滅多に迷うことはありません。それに、もし間違ったとしても「ここは熊野古道ではありません」というような看板も出ています。
紀州藩が築いたという一里塚の跡。どれがそれかはわかりませんが何かがあったのでしょう。
いやぁ~、素晴らしい道です。私が昔山岳部に所属していたことはこのブログでも何度か書いたと思いますが、こういう道を歩いているとかつて歩いていた山の記憶が甦り、もうたまりません。心が楽しんでいるのが自分でもわかり、自然と顔がほころんでくる 楽しくって楽しくって仕方ないです(^0^)
そうこうしているうちに、この道の最大のポイント、牛馬童子像に到着です。
これが解説。
像は、二体並んで鎮座ましましていました。左が牛馬童子像で、右は役小角(役行者ともいう)。ちなみにこの役小角とは修験道の開祖であり、龍神温泉を開いた人としても知られています。大阪や奈良、和歌山にきわめて縁の深い人なんですよ。
その奥にも石像がありました。
次は近露王子へ向かいます。(この道標の右奥方向)
途中にはこんな開けた場所もあり、
この辺りが近露の里ですね。
本当に道標がしっかり整備されています。私にはちょっとおせっかいに感じるくらい(^^;
妻が感嘆した石垣。ちなみに民家の石垣です。
近露王子の手前の橋上から日置川の上流を望む。いい天気だ
近露王子の石碑。
外国人の親子もここで足を休めていました。
こうして、ほんの小指の先ほどの少しではありますが、熊野古道に触れることができました。本当はせめて2泊3日ほどをかけて古道歩きを楽しみたいものですが、なかなかそういうわけにもいきません。そんな中で少しでも熊野古道を歩けたのはやはりよしとしたいと思います。
さて、クルマを停めてある場所まで戻りましょう。もうあと数百メートル。で、振り返ってパチリ
この森の中に近露王子の石碑はあります。
先ほどの1枚から若干下流の別の橋の上からの1枚。この山の中を熊野古道は通っているのです
スタートの「古道歩きの里 ちかつゆ」に到着。所要時間は1時間強でした。歩くだけなら私一人の足ではこの半分の時間で行けましたが、山登りではなく熊野古道体験が目的でしたので、妻と付き合ってのんびりと時間をかけたらまあこんなもん。
(それにしても誰もおらんな・・・・ ゴーストタウンみたいだ。この日は世間的には休日なんだけど・・・・)
このとき時刻は12時半ごろだったでしょうか。頃合いもよく、結局ここで昼食をとることにしました。
メニュー。たくさんあるように見えますが、大体が応用編ばかりなので作る方は案外楽かもしれない(笑)
昼時だけど空いてたんだよな。
この日は休日だったのですが、もう熊野古道自体の観光客が減少傾向なのかもしれません。何より暑いし・・・・
選んだのはこの食券の通り。当然みなさん、私が和歌山ラーメンを食べたと思うでしょ?
実は違うんだよな~(笑)
妻がいただいたのがこの和歌山ラーメンで、
私は「うめたまごうどん めはり寿司セット」だったのですよ。メニューでは「月見うどん」となっていましたが、まあご愛嬌ということで(^^)
紀州名物のめはり寿司は美味しかったですよ。このお店のめはり寿司は、高菜で巻かれていたのはかやくご飯でした。普段は白米が多いと聞いていましたが。うどんはまあ普通だったものの、これだけでじゅうぶん楽しめました
さ、龍神温泉に戻って、元湯で源泉かけ流しの湯につかるとしましょう
(その5) 萬屋さんの2日目の食事 [紀州 龍神温泉]
2日目の夕食です。
実はこの日は別のコースをお願いしていたのですが、宿泊の1週間ほど前に宿から電話があり、「予約しているコースは前日の夕食とメインが変わるだけであまり違いません」とのこと。連泊する客自体が多くなく、される客には「すき焼きのコース」をお願いしているということでしたので、私たちもそれでOKしました。もともとこのお宿は熊野牛のすき焼きを推している側面もありましたし、まあ間違いはないだろうと
18時、フロントから準備ができましたとの電話が入り、昨夜と同じ向かいのお部屋へGO
入った瞬間、どうしても昨夜と比べてしまって、かつテーブルの空きスペースも広かったのでちょっとしょぼい感じがしましたが、これが大間違いだったことを、後で思い知らされます
一品物です。
胡麻豆腐。それとまぐろの漬け(山かけ)。あとはどっか~んとすき焼きです。
で、メインのすき焼き
このボリュームが凄かった。野菜は、これはとても2人前の量ではない。3人前、いや4人前といっても通用するかもしれない。それほどの量でした。
前酒は昨夜と同じく赤紫蘇梅酒。これで乾杯をして2日目の夕食がスタートです。
少し遅れてお肉が着皿。おお~っと、これは質、量ともにすんごい
お皿が真っ赤やんか・・・・ サシも程よく入った見事なお肉。熊野牛のA4等級のお肉、約500gです。
どうも小市民的発想をしてしまう妻と私。仲居さんが出て行ったあとポツリと一言。
「グラムなんぼやろ?」
「さぁ~、800円か1,000円か。ブランド牛やからもっとかも?」
アホなことは言ってないで、まあ~食べましょ こんないいお肉、滅多に食べられません。大体がすき焼きより焼肉の方が好きな私たち、ふだんはあまり食べない非日常を楽しみましょう
煮えたお肉をパクリ。うんまぁ~、頬っぺたがとろけますわ あとはひたすら肉を野菜を鍋に放り込み、火が通ったら口の中に運ぶの繰り返し。熊野牛のすき焼きを堪能させていただきました。
もっとも野菜は食べきれずに少し残してしまいましたが、お肉はもちろん完食。
デザートは後刻部屋に持ってきてくれました。実は旅行日のうちの1日は妻の○○回目の誕生日でもあったため、ちょっと豪華版とのことでした。その名も龍神村の里芋とキャラメルのシフォンケーキ。甘さもしつこくなく、メチャメチャ美味かったと記しておきましょう
2日目の朝食です。
前日と同じくほぼ一気出し。この日はご飯ではなく、温泉粥をお願いしていました。萬屋さんは、事前に連絡しておけば温泉粥に変更してくれるのです。前日は熊野古道を歩く予定でしたのでしっかりご飯を頂きましたが、この日は湯浅で醤油蔵を見学後は早々に帰阪する予定でしたので、昼食のためにもそんなに満腹にならないようにしたかった。で、妻の大好きな温泉粥にした次第。
朝食は連泊用のメニューになっており、他の宿泊客とはメニューが異なっていました。
サラダは昨日と違って梅紫蘇のドレッシング。湯浅名物の金山寺味噌も食卓に上がっていました。玉子焼きは塩味。
また梅干しは安心の美味。
今朝の温泉鍋は胡麻豆腐でした。やはりトロトロになって、温泉と豆腐の組み合わせを愉しみました。
魚は昨日の鮎の干物がよかったのですが、今朝はさんま味醂。これは粥よりはご飯がよかったな。普段ならこれだけでご飯の一膳は軽いのですが(笑)
メイン(?)の温泉粥。妻には以前濁河温泉で食べた温泉粥の印象が強烈に残っているようで、今でもあの美味しさを口にしるほどですから、よほどのものだったのでしょう。今回も濁河温泉粥の方が美味しかったと言ってました。私にはまったくわかりませんが、まあ思い出というのはすべからく美化されるもので、今回もその類ではないかなと思いますが・・・・やっぱりよくわかりません(^^;
ということで、朝食の後はあの最高の湯を浴びて、今度は海の方を目指して走りましょう
(その4) 萬屋さんの1日目の食事 [紀州 龍神温泉]
さて、1日目の夕食です。
場所は個室で、宿泊した部屋の向かい、つまり道路側の(たしか)6畳でした。館内を歩き回るのではなく、数歩で着くのもまた乙なものです。
この日の夕食は、「紀州美味しい会席料理」と命名されていました。和歌山はあまり知られていないだけで実は美味しい食材の宝庫ですし、かなり期待できるのです。
まずは初めに並べられていたもの。これでほぼすべてに近い。
鮮やかな色のついた紀州南高梅の赤紫蘇梅酒で乾杯。
ちなみに田辺市(だったかな?)では、最初の乾杯は梅酒で行うことが市の条例で決まっているそうです(ホントの話)。
お品書は本当に便利。ブロガーには嬉しいアイテムですね
さてお料理です。まずはいたどりの胡麻和え。やや苦みのある山菜ですが、胡麻で和えると苦味が緩和されて美味しいですね。日本酒に合います
季節の三種。中央の燻製がビールによく合う。あ、ビールはSAPPOROの黒ラベルでした キリン、アサヒもありましたが、迷わずSAPPOROを選択。関西で黒ラベルを出す宿は少数派ですし、SAPPORO好きの私には渡りに船でした。
次は玉子豆腐。高野山が近いこともあってこちらでは胡麻豆腐がよく出るのですが、それは明日以降ということになるのでしょう。
熊野地鶏のタタキ。臭みがなくあっさりしており、鶏好きの私にはたまらない味わい
ここいらで妻は日本酒を飲みたくなり、あらためてメニューを確認。お~、すべて地酒ですね。焼酎もすべて和歌山産。で、選んだのは飲みやすいと勧められた「紀伊国屋文左衛門 純米生貯蔵酒」でした。
次、行きましょう。
野菜の炊き合わせ。これはご飯のおかず用に最後まで残しておきました。
で、メインのひとつ、日高川産 鮎の清流焼き。日高川というと旅館の眼下を流れている川です。これぞ地産地消の最たるものでしょう。小振りな鮎は骨までやわらかく、最後まで尻尾すら残さず完食。
鹿肉の陶板焼きはポン酢でいただき、
あとから運ばれてきた熱々の天ぷらは、熊野雉と地野菜。大好きなタラの芽はとても美味しく、雉は歯応えのあるお肉が抹茶塩とよく合ってうまうま
茶蕎麦は三段になった容器に入っていました。
一番上にそばつゆ、2段目に薬味、そして3段目に山芋が乗せられた茶蕎麦。なかなか美味しい蕎麦でした。
こんな鮮やかな緑色をした蕎麦は、例えば信州では味わえないものでしょう。外道といわれるかもしれない。しかしですね、和歌山には「茶粥」なるものもあり、お茶を調味料のように使うのが一般的でもあるのですよ。ちなみに私のお袋は奈良の出身ですが、そこでも茶粥は普通に食べられていました。
せっかくだからと今回は、別注の熊野雉の釜飯を事前に注文していました。
これがなかなかに美味。熊野雉のお肉って本当に歯応えがあり、噛むほどに旨味が増してくる感じで、本当に美味しい釜飯でした。
デザートは、マスカットのおもち(?)。よく冷えていて、締めの一品には最適。
さて朝食です。ご飯、お味噌汁以外は一気出し。
よくある感じの朝食です。わりとあっさりした感じのおかずが並びます。
ただ、アップの画像はないのですが、魚は鮎の干物でした。これがなかなかにご飯とよく合い、夕食と同じく尻尾までいただきました。
サラダのドレッシングは胡麻。
さすが本場、梅干しが美味しい
実は最終日に道の駅に寄って、生産者の名前が入った梅干しを買って帰ったのですが、これが大当たり! 妻と私の好みの酸っぱい梅干しで、大好きな味でした。あの量で250円なんてスーパーバーゲン価格ですし、次回も絶対に買って帰りたい一品となりました。
最後に温泉湯豆腐を。トロトロになった頃合いでいただいた湯豆腐は口の中でとろけて、ビールが欲しくなりました。実は、別の席で朝から飲んでるヤツがおったんだよな~ クルマに乗らなかったら絶対に飲んでたんだけど・・・・まあしゃーないです(TT)。
お薦めに従ってお出汁は最後まで飲み干しましたよ~
(その3) 料理旅館 萬屋~部屋・お風呂編~ [紀州 龍神温泉]
高野山から龍神温泉までは、その名も高野龍神スカイラインをひたすら南に走ります。この道はかつて有料だったことがありますが、今はもちろんタダ。山の中の一本道で、やはりカーブが連続することからライダーさん御用達のワインディングロードとなっており、のんびり走っていると次から次へと抜かれていきます。対抗したところで勝てるわけもなく、そういう時私は見通しのいいところでクルマを左に寄せてウィンカーを出し、さらに少しスピードを落として抜いてもらうことにしています。お互いに気持ちよく走るためのマナーですね。
スカイライン途中の道の駅。ごまさんスカイタワー(←クリックどうぞ)があります(有料)。紅葉の頃、ここからの眺めは素晴らしいそうですよ。駐車場から1枚撮影してみましたが、峰々や尾根が見える限り折り重なり、全山こういう深山幽谷といった趣きでした。
ちなみにこの「ごまさんスカイタワー」は世界一高いタワーなんですよ。なぜならこのタワーは標高1,282m地点にあり、そこに33mのタワーですから、なんと1,315m どうです?、東京スカイツリーなんざ目じゃないでしょ(笑)
高野龍神スカイラインが終わるころ、龍神温泉に到着します。
これは国道から離れ、温泉街に向かう県道から撮った1枚。この日高川沿いに龍神温泉はあります。ここから2~3分で本日のお宿、料理旅館 萬屋さんに到着。
外観。う~ん、かなり古さが目立ちますね(^^;
これは後刻近くの橋の上から撮った1枚。こんな感じで、崖にしがみつくように建っています。
フロントはこじんまりとしていて、もちろん売店もなく自動販売機が1台のみ。この規模ではこんなものでしょう。
3Fのもっとも手前の部屋は「ぼたん」という名の8畳。二人ですし、これでじゅうぶん。
洗面は縁側にあり、その向かいにトイレ。
縁側から見下ろす形になる清流は日高川。せせらぎの音が清らかで、夜間は冷房を切って窓を開けて就寝しました。
ちなみに左隣りは廃業した旅館で、折れ曲がった水銀灯の様子などが部屋の窓からよく見えて、仕方ないとはいえちょっと興醒めの感がありました(ーー)。
HPには「10部屋」とありましたが、下駄箱の靴の置き方から判断するに、実際は日高川側の6部屋のみで営業されているようです。
道路側の部屋は夕食用個室として使用されていたと思います。
続いて、これまたこじんまりとした温泉へ。
日本三美人の湯、龍神温泉は地下1Fにあります。私たちの部屋は3Fだったので、お風呂に行くには3フロア分を昇降しなければならない。これはなかなかシンドイものですが、しかし不思議と気にはなりませんでしたね。
これは地下へと続く階段。スリッパは1Fで脱ぎ、裸足で風呂場へ降りていきます。
手前の男湯へは暖簾をくぐり、(女湯はこの右側にあります)
こんなすのこ敷きの通路を数歩歩き、
何とも小さな、とても温泉旅館とは思えないような脱衣所。カゴも4人分しかありません。この理由は扉を開けるとすぐにわかるのですが・・・・。
で、滑りのいい引き戸を開けると・・・・
お風呂~~
4人も入ればいっぱいになるくらいの大きさ。これならたしかに脱衣カゴは4つで十分です。
窓外の風景は木々の緑が眼前に広がり、谷川のせせらぎも聴こえる。半露天の趣です。ただし網戸を開けるのは厳禁とのこと。そりゃあこのシチュエーションだと虫が入ってくるのは必定ですもんね。
お湯は温度調整のため、10分おきに吹き出す設定。
当然ながら湯の良さはお風呂の大きさとは比例しない 龍神温泉の湯の素晴らしさは、もう筆舌に尽くしがたいものでした(←ちょっと大袈裟)。
おっさんの私が言うのもなんですが、お肌すべすべ、その快さと言ったらもうたまりません。多くはないにしろ私もいろいろな温泉に行きましたが、龍神温泉のお湯の良さはその中でも間違いなくトップクラス。徳島の祖谷温泉、乗鞍の白濁湯、奥山田温泉の満山荘に勝るとも劣らない素晴らしい湯でした。これは妻も全くの同意見で、「日本三美人の湯」の称号は伊達ではないと実感しました。
都会からは遠く、山の中の離れ小島のような温泉ですが、龍神温泉は絶対のお薦めだと私は思います。
(その2) 高野山 奥ノ院 [紀州 龍神温泉]
昼食を終えた後、私たちは一路高野山へ。高野山へは、右へ左へとステアリングを切りながら約1時間ほど登ります。山の中に造られた道を延々と走るのですが、突然といっていいほどの唐突さで風景が山から街へと一変します。
すなわち「高野山」の始まり。
この画像は街へと変貌を遂げてわりとすぐの風景。
左に蓮華院がありました。
前のアクアは、ふもとからずっと一緒に走ってきたクルマ。旅のついでということで残しておきます。
一言で高野山といってもその山域は広く、数時間ですべてを回るのはとても不可能。宿には早めに入りたかったので、滞在時間はそんなにありません。そこで今回は狙いを奥の院に絞ることにしました。本来であれば金剛峰寺にも参拝したかったのですが、それは次回ということで。
高野山の山域には無料の駐車場があちこちにあります。しかし、土日はすぐに満杯になるとのこと。まして私たちが訪れようとしている奥の院は観光客にも人気のある場所。この日は平日とはいえ、無事クルマを停められるかどうか心配でした
が、幸いなことにそれは杞憂に終わりました。ガラガラとまでは言えないものの十分余裕があり、2階建てになっている駐車場の1F部分、つまり日陰になっている場所にクルマを停めることができました。太陽が照っている暑い日にこれは大助かりですよね
案内所の軒下にあった燕の巣。向かって左の巣に2~3羽の雛がいました。
奥ノ院にはこの中の橋駐車場の脇から入ります。いわゆる奥ノ院の中ほどにあたります。
さて、奥の院には有名な武将の慰霊碑がたくさん並んでいます。織田信長しかり、徳川家康しかり、武田信玄しかり。もちろんここに遺骨があるわけではなく、まあ魂が眠っておられるということでしょう。
武将をはじめ歴史上の有名人もさることながら、奥ノ院には企業の慰霊碑が数多くありました。その一部をご覧いただきましょう。誰もが知っている有名企業のオンパレードですよ。都度都度解説はしませんが、ご覧ください。本当に、これでもごく一部です。
ちなみに私が勤める会社の慰霊塔もここにあり、毎年物故者を祀る慰霊祭が執り行われています。もちろんそこにも参拝してきました。(すみません。さすがにこれはボカさせていただきます)
ここから先が「世界遺産」になっている場所です、と別の団体さんの案内のお兄さんが言っていました。杉の大木は、長いもので樹齢600年を越えているそうで、この木には神が宿っていますと言われたら素直に信じることでしょう。
樹齢600~650年といわれる杉の巨木
この杉は根元で3本に分かれています
以下は徒然のままに撮影した画像です。幽遠とした雰囲気だけでも味わっていただけるかと思います。
参道は杉の巨木によって日差しが遮られてひんやりとした空気に包まれて、木漏れ日の中を散策するには絶好のロケーション。素晴らしく趣があり、静謐かつ穏やかで、おそらくは日本でしか味わうことのできないあろう雰囲気に包まれています。この空気感を味わうだけでも、高野山まで来た価値があるといえましょう。
妻が感動した見事な苔。
こういう小道が延々と続きます。標高の高さも相まって本当に涼しい。文字通り『別天地』です
安芸浅野家墓所。
浅野内匠頭墓所および赤穂四十七士菩提碑処。
弘法太子御廟への道。
この辺りから先は撮影禁止でした。
お参りした後、駐車場へ戻ります。
その途中の画像。
さらに、阪神・淡路大震災、東日本大震災の慰霊も建立されていました。
こちらは昨年話題になった、ブータン国王の植樹です。
さて、いい時間になってきました。高野龍神スカイラインを通って今回の旅の目的地、龍神温泉に向かいます。
(その1) 初日の昼食は橋本の街中中華・紀の川そばにて [紀州 龍神温泉]
連日のオリンピックで、睡眠不足の日々が続いています。体操の金メダルは実に感動的でした。いいですね~
私の個人的なNo.1は、女子柔道の70kg級、田知本選手。決勝で相手を抑え込んで一本を取った直後、起き上がって髪をかき上げた後の放心したような表情がとても印象的でした。笑顔もいいですが、あの表情に4年間のすべてが表れていると感じました。優勝しても畳の上ではまったく笑顔を見せなかった男子90kg級の大野選手も逆に印象的でしたが。
さて本題に戻りまして。
第1日目、まず目指したのは和歌山県橋本市でした。橋本は、我が家からおおむね1時間の距離。和泉山地を越える和歌山とはいえ、さして遠い街ではありません。ここで昼食をとります。
はじめは高野山で精進料理、とも考えましたが、調べてみるととんでもなく混むそうですし、値段も目の玉が飛び出そうなこともあって回避しました。
そこで選んだのがこのお店、紀の川そばさんでした。昔ながらの中華そばを食べさせてくれるというお店で、セットがおトク、かつ特徴的な街の中華料理屋さんです。場所は【ココ】(←クリックどうぞ) すぐ近くを紀の川が流れています。
外観は、絵に描いたような『街の中華料理屋さん』そのもの。
メニューもまたしかり。
で私はこのお店名物のサービス定食を選択。妻はちゃんぽん。玉子をどうするか尋ねられて、溶き玉子でお願いしました。
まず運ばれてきたのが、私のサービス定食の中華そば。『ザ・シンプル』、街の中華屋さんのラーメンの典型的なルックス。味もまた同様に、シンプルなあっさり鶏ガラ醤油ラーメンでした。
で、間髪を入れずにご飯&串カツが着皿。
このライス&串カツを見た妻が一言。
「カロリー高いんとちゃうん!?」
とはいえ、カロリーの高さはご飯との相性に比例する。この串カツ、中華そばよりはるかにご飯と合いました。
ちなみに妻のちゃんぽんも味が濃くて、これまたご飯と合いそうでしたよ。
ふう、お腹もいっぱいになったことだし。さて、高野山に向かうとしましょうか。ここからはカーブの続く登りの山道を1時間ほど走ります。
はじめに [紀州 龍神温泉]
和歌山県。
隣接する県でありながら特に深く接するでもなく、数年に一度、思い出したように温泉や海に行く程度でした。
ところが、何の因果か縁が深くなる契機があり、今後は数年に一度ではなく、時折りは訪れる程度にはなることでしょう。
そんなこともあってか、今年のいつもの妻との旅は和歌山に行くことにしました。
和歌山の温泉といえば、誰が何と言っても白浜温泉が圧倒的に知名度が高いのですが、この時期の白浜は海水浴とセットのようなもので、海浜には子供が多く、子供は嫌いではありませんが、まあ落ち着いて過ごせる温泉地ではありません。それに暑い(ーー)
ということで、私たちは山を目指すことにしました。和歌山は三方を海に囲まれているために南国の明るいイメージが強いのですが、実は日本でも有数の山岳県。山の深さにおいては相当なものです。もうずいぶん前ですが『大誘拐』という小説&映画がありました。ここで誘拐された刀自(おばあさん)は山をいくつも持っている超ド級の大富豪で、その規模はまあとてつもなく、和歌山の大きさを象徴していたものです。
『大誘拐』は小説、映画共にとてもおもしろいです。私のおススメ!
【「大誘拐」】→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%AA%98%E6%8B%90
はじめは1泊の計画でしたが、妻が「せっかくだから熊野古道に行ってみたい」と言い出し、それなら、と同じ旅館に連泊することにしました。
ただ、熊野古道といってもその範囲は相当に広く、あちこちに点在しているため、ほんの一部に触れる程度になることは承知の上でした。
で、宿泊する温泉地です。和歌山深奥部にはいい温泉がいっぱいあり、その中の一つ、湯の峰温泉にはつぼ湯(←クリックどうぞ)などという超有名なスポットもあるのですが、結局前から一度は行きたかった龍神温泉に決定。日本三美人の湯のうちのひとつです。
「美人の湯」は日本全国津々浦々にありますが、「日本三美人の湯」は①川中温泉(群馬) ②湯の川温泉(島根) そして③龍神温泉(和歌山) の三湯のみ。その由来については明らかにされていませんが、1920年に鉄道院によって編纂された「温泉案内」の中で、「肌を白くする」という効能一覧に、この3つの温泉が含まれているのだそうです。
「今さら?」などと言っては妻に殴られることでしょう(笑)。ここは美人を磨いていただくことにしましょう
先述した『大誘拐』の小説では刀自の家は「津ノ谷村」という架空の村にありましたが、映画では「龍神村」となっていました。
【龍神村の観光情報】→http://www.ryujin-kanko.jp/index.html
大阪から龍神温泉に至るルートは大きく分けて二つ。高速道路を使って海沿いを行き、有田(みかんで有名なところ)から東へ入るルートと、北から高野山を抜けて龍神に至るルートです。距離的には高野山ルート<海沿いルートですし、四十数年ぶりに高野山にも行ってみるか、ということで高野山ルートを選択しました。小中学校の同級生だった妻と私は、小学校の林間学校でどこぞの宿坊に泊まったことがあります。
無駄な動きは極力避け、考え出した計画は以下の通り。
1日目:大阪~橋本(昼食)~高野山~龍神温泉
2日目:中辺路の熊野古道~龍神温泉で連泊
3日目:宿~有田川(昼食&醤油蔵見学)~帰宅
無理をせず時間に余裕を持ち、遅く出て早く帰るパターン。
とまあ前置きはこれくらいにして、次回からしばらくこの話題を続けたいと思います。
お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。