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「ブライトンの奇跡」 [ラグビー]

『ブライトンの奇跡』 

今後、この試合のことはこう呼ばれるのではないでしょうか。あるいは『ブライトンの衝撃』か『歓喜』か。
(南アフリカにとっては『ブライトンの惨劇』でしょう)

日本時間の9/19の深夜、9/20の早朝。
第8回ラグビーワールドカップで、日本代表が34-32で南アフリカを破りました。私はこの瞬間を家のTVで生中継を観ていました。

「W杯史上最大の番狂わせ」と称されたこの試合、生で観ることができた幸せを今、噛みしめています。

これまでも時折り書いてきましたが、私はラグビーを観るのが大好きで、年に1~2回ですが花園ラグビー場や長居スタジアムに観戦にも出掛けます。もちろん日本代表の試合も、TVで放送されれば欠かさず観ていました。

でも・・・・これまで日本はW杯は毎回欠かさず出場してきたのですが、その間の戦績は何と1勝21敗2引き分け・・・・[もうやだ~(悲しい顔)]
はるか24年前の第2回W杯でジンバブエに勝ったことがあるだけであり、今回の出場国の中でもぶっちぎりの『最低勝率国』でした。(・・・・4分2厘です。1割にも満たないわずか4.2%。消費税率の約半分)
常に“最弱国”のレッテルを貼られ、相手国にとっては確実に1勝を見込める相手であり、予選で同じプールになった国は喜びの声を上げたと言われています。

翻って南アフリカ。
世界ランキング3位の世界屈指の強豪国。過去7度のW杯で最多タイ2度の優勝を誇り、今回も当然ながら優勝候補の一角。たしか、『最低勝率国』の日本に対し、『最高勝率国』ではなかったかな? 何かの報道で、実況の英国のアナウンサーが
「最高勝率国と最低勝率国の戦いです(苦笑)」
と言った、というのを読みました。 

日本が南アフリカに勝つ、ということは、私が例えて言うと
「高校野球の優勝校がメジャーの地区優勝チームに勝つ」
それに付け加えるなら、9回裏2アウトで逆転2ランを打って8-7で勝った、ということでしょうか(笑)
ネット上では
「桐谷美怜が吉田沙保里に勝つ」とか「ヤムチャがベジータに勝つ」(ドラゴンボールを知らないとわからないネタ)、「具志堅用高が数学オリンピックで優勝する」だとかムチャクチャ書かれていましたが、まあそれくらいにモノスゴイ歴史的な、今後長くW杯で語り継がれるであろう奇跡が起こったということなんです。

正直に吐露しますと、私も試合が始まる前は勝てるなんて夢にも思っていませんでした。
記録的大敗だった20年前の対ニュージーランドのスコア、17-145とまではいかないまでも、30点差くらいの敗けならまあいいか、くらいの期待(と言っていいものか)しかなかったのです。
これはおそらく99%以上の日本のラグビーファンが認めないまでも感じていたことで、勝てると考えていたのは選手とスタッフくらいだったのではないでしょうか。
ラグビーを知らない方にはほとんど実感がないと思いますが、上記の例えほどの実力差なのです、本当に。

さて。
試合序盤は日本が先制したのですが、直後に逆転。あ~、やっぱりアカンか・・・[ふらふら]
ところが日本は南アフリカに連続得点をさせない。引っくり返されても突き放されても食い下がる。体格に勝る相手に低いタックルをぶちかまし、2人がかりで倒す。根負けした相手が反則を犯し、得たペナルティゴール(PG)を五郎丸が着実に決めてくらいつく。
前半終了時点で10-12。ラグビーの試合でこの時点の2点差なんて、あってないようなものです。

もうこの時点で鳥肌ものなのですが、それでも勝てるなんてまだ思っていませんでした。いつものように後半、特に残り20分を切ってから圧力に耐え続けてきた日本の足が止まり、連続得点で突き放されるのではないか。そんな危惧がどうしても頭を離れません。

ところが。
実際に足が止まったのは南アフリカの方でした。前半から、日本のタックルミスを見逃さず、さすがのトライを決めて来ていましたが、後半の途中で日本の反則に対しトライを狙いに行かず、PGを選択した時は、私が思わず「何やと~[exclamation&question]」と声に出したほど。これは実際には考えられないことなんです。普通、日本のような格下相手では嵩にかかってフォワードで攻めつけてトライを奪いに行くのがセオリーなんですから。それが、より確実なPGを選択するということは、トライを取るのが難しいと選手が判断したということ。この時点で精神的に日本が南アフリカを凌駕していた、といっていいと私は思います。

一番しびれたのは最後の最後です。(この時点で私はもう涙をボロボロ流していたことを告白しておきます)
ゴール前で相手が反則を犯し、日本が同点狙いのPGを狙わずスクラムを選択した時。あの南アフリカを相手に真っ向勝負を挑むなんて、そんなことをこの目で見ることがあるなんて、この期に及んでまだ夢を見ているようでした。
そのとき、会場がどわ~っとどよめいたのがはっきりわかりました。英国でも判官びいきがあるんですね~(^^) 
同点でもすごい、歴史的なことなのに、あくまで勝ちに行くその姿勢。本当に鳥肌が立ちました。
そして、最後の最後の最後、ラストワンプレー。ロスタイムゆえに誰かが小さな反則をしてもボールが外に出ても日本の敗けというシチュエーション。そこで逆転のトライを決めるなんて、あまりにも劇的過ぎて小説でも書けることではありません。

その瞬間、私は号泣してました。未だにあのロスタイムの逆転トライのシーンを見ると鼻の奥がツーンときて、目がじわりと熱くなります。

ラグビーは、番狂わせの起こりにくいスポーツなんです。全身でガツガツぶち当たりますから、フィジカルの差がモロに出るため、どうしても番付通りの結果になりがち。日本選手権でもなかなか大学生は社会人に勝てないでしょ?(たしか1980年代に慶応大学がトヨタに勝ったのが最後のはず) アレです。
それがまさか南アフリカに日本が勝つなんて・・・・間違いなく、日本より英国の方が大騒ぎになっているはずです。

とまぁー、ここまで熱気に背を押されて長々と書いてきましたが、日本ってラグビーのことを知らない人が多いんですよね。たしかにルールが煩雑なので見る気がしないという人は多く、気持ちもわからないのではないのですが、ルールがわかればこれほど面白いスポーツはなく、鍛え抜かれた肉体が芝生の上で躍動する様はサイコーです。

でもまあ、問題はこのあとの3試合ですね。次は23日のスコットランド戦。めっちゃ強いですよ、ここも。通常なら10回やって1回勝てるかどうかのチームです。(ちなみに南アフリカは「100回やって1回すら無理ちゃう?」くらいの相手だったんですけどね)
番狂わせの起こりにくいスポーツですが、是非もう一度番狂わせを起こし、実は番狂わせでもなんでもなく日本の実力が飛躍的に向上していたことを世界に見せてほしいです。

次のW杯は4年後にわが日本で開催されます。是非今大会では目標のベスト8に進出し、次回開催国としての矜持を見せてほしいと願ってやみません[ぴかぴか(新しい)]


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NO NAME

今日のスコットランド戦も頑張ってほしいです

感動をもう一度!
by NO NAME (2015-09-23 08:40) 

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